福岡に長者原という地名がありまして、駅にもなっています。前、通った時に何かあるのかと気になって調べたところ、こういう話が伝わっていました。

奈良時代の終わり頃、当地には大城出羽守国定という長者が住んでいた。この長者には三国一と言われた評判の娘、於古能姫がいた。ある時、早良区の豪族、郷士土生伯耆守がこの付近に鷹狩りに来たとき、この娘のうわさを耳にして、自分の息子の嫁にと無理を通して頼んできた。長者は一人娘の嫁入りということで、七車分の嫁入り道具を乗せ、多数の人数を伴って、嫁ぎ先である野芥を目指した。
一行がちょうど逢坂まで来たときです。土生の家老が数人の共とやってきて、「今、土生家では、昭兼殿が急病で危篤となっている。結婚式どころではないから、相すまないが引き返してくれ」と頼みました。
於古能姫は、「杯はせずとも夫婦にはかわりありません。どうぞ、危篤の夫に会わせてください。」と話した。
そのうちに、家老が自分の娘を土生家に嫁がせ、土生家を自分のものにしようとの悪巧みがあることがわかった。
 於古能姫は、もはやこれまでと、自決し、これを目の前で見ていた長者も三途の川をともに渡ろうと自決してしまいました。
 長者と姫はその地(野芥)にほうむられ、縁切り地蔵としてまつられています。

長者原伝説|粕屋町 https://t.co/1EWT2ZjeWW?amp=1 より

 さすがに奈良時代の話だし、まつられているといっても痕跡でも残っていればいいなと、昨日に福岡にいったときに足を延ばしました。

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 野芥は郊外の住宅地という感じで、交通量も多い普通の町でした。
 グーグルマップを頼りに10分ほど歩いたでしょうか。
 長者と姫をまつる『野芥縁切地蔵尊』につきました。

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 お堂自体は小さなものでしたが、平日の朝だというのに線香の煙が立っていて、地元の方の信仰を感じました。

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 お堂に近づいて、手を合わせてから中をのぞかせていただきました。多くの願いのこもった封筒や絵馬が壁に貼られています。その中央の石。それが野芥縁切地蔵尊さまでした。この姿はとても地蔵さまには見えません。伝承によると縁を切りたい人に削った粉を飲ますと、すぐに切れるという話があるからだそうです。
 
 初期の思い付きとは全く違いここには生きている信仰がありました。

 

 本当は寺社仏閣いき、神仏に願う時はよく具体的にイメージしないと効果がないのですが、特に縁を切りたい人もいないので、これまでずっと人々の願いを聞き続けているお地蔵さまに感謝の気持ちを込めて礼拝して帰りました。

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 異伝といいますが、話にいくつかバージョンがあるようで、最初にしったものとは違っていますね・