昔、岩手の水澤のあたりに掃部長者という者がいた。長者の妻は貪欲無道の悪女で、家来や下人を夜昼なくこき使っていた。そのため、ついには蛇体に変じ、付近の沼に入って主となった。その後、人身御供として年に一人の処女を差し出さねばならなくなった。
 あるとき、長者の一人娘が生贄になることになり、身代わりになったお小夜という娘がいた。観音経を唱えていると、その徳で悪蛇も済度されてもとの美しい姿に戻ったという。一日一妖